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2010年11月

ホルモンサプライズ。

D12で、診察の日でした。
実はリセットが終わったらすぐ来るように言われていたので、D6に行ってみたのだけど、診察室では「せっかく来てもらったけど、今日は何もないや」と先生に言われたのだった(笑)。で、「今周期は、とりあえず卵巣の状態をチェックしておきましょう。D11かD12あたりに来てくれる?」と、先生が言うので、どうするともなく行ってみた次第。
なにしろしばらくD3採血もないし、薬も注射もナシナシコースのため、卵胞あるのかな〜、から始まる限りなくハードルの低い私
超音波では、そこそこ育った卵胞が確認できて、ホッと一息。
「卵はできてきてますねえ。どうします? 今月はお休みする?」と、なぜか消極的な先生。連続採卵はしんどかろうという気遣いなのかしら。
とにかくホルモン不足が続いているので、とりあえずE2採血してみますと言い、先生も「そうだね。採血の結果を見てから相談しようか〜」と言ってくれました。

採血室で看護師さんに「どのくらいの数値が出てればいいですかね?」と聞くと、「D12だと、三桁は絶対に欲しいかな〜」とのこと。E2は、卵を包んでいる周囲の組織が発しているホルモンで、一般的に卵1つにつき250あれば良いと言われているのだけど、少なくともここ3ヶ月は、107、150、152……と、三桁は三桁でもビミョーな数値ばかり。排卵の日(=採卵の日)までに250になってれば理論上はOKとはいえ、こればっかりは薬では補えないホルモンなので気持ちもビミョー。
前回とまったく同じ時期に同じような大きさの卵胞が育っているし、またビミョーな数値が出るかもなあ……。どうしよっかなあ。

……と考えながら帰宅。昼に採血結果を電話で問い合わせて、今後のことを決めることになっていたので、結果を待つ間に夫に電話。
「ビミョーでも、とりあえず採っとけば?」と、まるでテレビの録画でも頼むように言う夫(笑)。自然に巡ってくる良い卵の出現を待ち続けている私たち。サクっと250とか出てくれれば何も迷うことはないけれど、どっちにしても来月は年末年始にひっかかるから休みになるんだし、先生の判断に任せて、第一希望・採卵、第二希望・AIH、第三希望・休みってことにしようか、と話がまとまり電話を切った。

う〜ん、ホルモン値ごときで地味に緊張する電話連絡! 今月の卵胞の成績発表みたいなもんだもんね。赤点ギリギリのヤツばかり排出しているお疲れの卵巣。もう期待はしてないよ!大丈夫、三桁ギリギリでもバッチコーイ!
で。
電話口に登場した先生は言いました。「ルミコさんね。411出てます」と
「え?よんひゃく?」と、聞き返した私は、ダメだった想像しかしてなかったので激しく動揺! っつーか、危なく採血無しで中止にするとこだったよ!
卵が4つ採れたときでさえE2は300台しか出てなかったのにどうしちゃったんでしょう? まあE2は目安でしかないんで、ここはまだ喜ぶ段階じゃないですが、トントンと採卵日が決まってしまいました。今年最後の治療は、4回目の採卵のようです。

↓ホルモングッジョブ!

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妄想=希望のバロメーター?

D8です。珍しく頭痛もなく快適な低温期を過ごしています。
なんか、すごく不思議なんだけど、42歳になって何かが吹っ切れたというか、モヤっとした焦りみたいな気持ちがシューっと萎んだような気がする。

IVFをやるとかやらないとか、転院するとかしないとか、治療をいつまでやるかとか、すごい悩みながら過ごして来たけど、今悩むことがあんまり見つからない
やるなら41歳の1年が勝負だなと心の中で思ってたから、41歳最後の治療で空振りして放心状態っていうんですかね。そこから抜け出して、ああもう成り行きに任せよう、っていうか、それしかない現実を受け止めたんですかねえ。

頑張らないけど、待ってる。
だって、今頑張れることって、「待つ」ことぐらいなんだもの。
「通院」はするけど「治療」とはまた違って、「通院」の結果、「治療」するかどうか決めるというスタイル。ま〜、ユルユルです。
ほんのりと、わりと現実的に、夫婦ふたりの生活になりそうだってことを自覚しつつ、私も夫も昨日の続きを過ごしています。今現在ふたりしかいないんだもの、その時間はその時間で気楽で、現状維持っていうのは案外心地良いものだったりもして。

でも、「もし妊娠してたらこの予定入れてたらマズイかも!」とか、そういうことも思わなくなってしまったのは寂しいかなあ。なんだか、すんごく遠くに行っちゃった。私がやってみたかった「子育て」っていう領域なんて、遠すぎてもう見えません
この間、友人の子供が1歳の誕生日を迎えたのだけど、結構ずっしりと重たくなってきたその子を抱きながら、「私もあのとき順調に育っていたらちょうどこのくらいになってるんだよなあ」と、ふと思ってみたものの、全然リアリティがなかった。
妄想すらフェイドアウトしていってるのに、どうモチベーションを上げればいいのかしら
ま、「治療」するにも何もやることがないので、上がらなくてもいっか〜と、これまた開き直りなのだった。

↓妄想って、希望の炎がメラメラしてるときにできることだったのかも??

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2人でしか見られない景色。

私の周囲は、いろんなライフスタイルの人がいて、子供がいない夫婦っていうのが特に珍しくないこともあって、20代のころから今に至るまで「子供は作らないの?」とか「子供は早いほうがいいわよ!」とか、そういうようなことをほとんど言われたことがない。
もしかしたら、言われてたのかもしれないけど、そのときの自分にはリアリティがなかったから、右から左だったのかなあ。

でも、こうやって治療をやることになってから、何度か思い出す場面があった。

20代の前半で独立して、同業種の人たちとひとつの事務所を借りて、そこにデスクを置いて仕事をしていた頃、憧れている女性の先輩がいた。男ばかりの事務所で唯一の女の先輩。
たぶん6〜7歳年上だったのだけど、仕事もできて聡明で頼れる存在。だけどどこかゆっくりと時間が流れているような余裕もあって、忙しいときもピンチのときも笑顔でスルっとどうにかしちゃう。 
仕事もバリバリ忙しい売れっ子だったのに、30代中盤に入ってから「私、留学するわ!この事務所はルミちゃんに任せた!」と言って、ひとり異国に旅立ってしまい、そこで出会った随分と年下の異国の金髪青年と電撃婚! やっぱカッコイイわあ……と羨望のまなざしで見ていた先輩です。

その先輩が留学してから、しばらく連絡が途絶えていたのだけど、私が2度目の結婚をした頃にふとしたところで再会し、並んで座った空いた電車の中で、先輩は言いました。
「ルミちゃん、あの彼と再婚したんだってね。おめでと。子供は欲しいって思ってる? もし考えてるんだったら早めがいいわよ。私ね、今年妊娠したんだけど、流産しちゃったの。だからね、こればっかりは少しでも早いほうがいいわよ」

私がそのときなんて言葉を返したのか思い出せないのだけど、あれから数年。
あのときたぶん今の私くらいの年齢だった先輩は、今どうしてるだろう? ってときどき思い出すこともあった。ずっと人生と仕事の師として、自分の数年後の目標にしてきた人だったから。

つい最近、その先輩からメールが届いた。
今また海外に拠点を移して仕事をしているそうで、ブログを始めたからというお知らせだった。
一緒に海を渡ったネコちゃんと、夫婦。2人と一匹の穏やかな生活と、仕事で飛び回る日々のあれこれが綴られたシンプルでやはりステキなブログ。自転車の旅が趣味のダンナ様と一緒に、長い休みを作って2台の自転車でモンゴルの大草原を旅したときのことが綴られていて、地平線に向かって続くまっすぐな道と真っ青な空、仲良く寄り添った2人の影……、その美しい写真に感動して、涙がファーっとあふれてしまいました。

うまく文章にできてないけど、なんていうか、夫婦2人でしか見られない景色がそこにあって。旅の途中のテント生活で見た満天の星空や、かわいいバンビの群れ、遊牧民の方の家でお茶をご馳走になっていたり、ホントにホントにホントにステキで、私の未来のアルバムにもこんな写真があったらいいのに、と思えたりもした。

私も私たちらしい年の重ね方ができたらいいな。
今この瞬間に心を縛られていることに全力を注ぐのも道だけど、2人だから見られるもの、今までもたくさんたくさんあったし、これからもあるだろうってこと、見失わないようにしなきゃな。

↓未来はきっとなるようになってるのさ。

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現実と揺れる気持ちと。

ふ〜。自分で始めたこととはいえ、やっと過去記事更新が終わった
今日からリアルタイム更新です。改めて、お久しぶりです

ちまちまと過去記事でやり過ごしていた間に、リセットしました。もうD4です。
採卵の後っていうのは、基礎体温も低めだし高温期も短め。わかっていても、あれ?もう?と、ドキっとしてしまいます。

今までずっとそのときそのときの気持ちをリアルタイムに綴ってきたので、数週間前の文章とはいえ、すっかり過去の自分の気持ちだなあと思う。実生活では、誰もがすべての気持ちをぶちまけて生きるわけにいかないから、まあこうやって自分であって自分じゃないような場所で心を解放しているわけなんだけど、読み返すと、そのときの状況で気持ちってかわるもんだな〜。当たり前だけど。
治療頑張ろう!と思うときもあれば、一刻も早くやめたい!と思ってみたり、子供いたらいいなあと言ったかと思えば、やっぱいらないかも?と思ったり、好きなことやって楽しく過ごせばいいジャン♪と、思うときもあれば、私のやりたいことって何?ってわかんなくなっちゃったり……。
でもそれが私の治療中の心の真実。
病院に通い始めてすぐのころには考えなかったことも、今は考えてしまう。
こういう結果になったらこうしよう!って決めてみたとしても、実際その結果になったときには、また違う気持ちが湧いてくる。自分のことは自分にしかわかんないけど、自分のことでも先のことまではわかんないんだね。

あと数ヶ月で、治療を始めて丸3年になる。
最初の1年は、治療を始めたことで、それまでぼんやりとしか考えていなかった「子供のいる生活」に純粋に想いを馳せるようになった。子供欲しいんだわ!そう、欲しい!だから頑張ろう!って思えた。
……けど、1年全力で頑張ったところで手にした陽性は、残念な結果となり、すべてが終わるまでの3週間は本当に怖かった。1年間積み上げてきた想いがガラガラガラと壊れて行くのもわかって、ああ、これが現実なんだ、40歳になった自分が「子供のいる生活」を望むことの現実の中に、こういうこともあるんだってことを知った。知識としてわかっていたこととはいえ、自分が経験すると、経験する前の純粋な気持ちには戻れなかった。
IVFに進んで、高度な治療を受けながらも、妊娠すること……妊娠を望むこと自体が「怖い」っていう思いもあって、当初イメージしていた「子供のいる生活」のフワフワしたものは、ずっともっと遠くに感じてしまうんだよね。

あ、暗くなってしまいました。人それぞれ、いろんな過程があって、同じ経験をしても感じ方はいろいろだけど、私の場合は治療を始めることによって「子供欲しい」っていう思いを育ててきたからそんなふうに思うのかもしれませんね。
とはいえ、さすが男は当事者じゃないだけに(?)夫は純粋な気持ちで私のサポートをしてくれて、自分の気持ちはなんだかよくわからないけど、夫婦の選択肢として今は無理なくやれることをやろうかな、と思っているところ。

↓結局、まだ見ぬ子への愛……というよりは、行き着くところは「夫婦愛」?

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お久しぶりです。

「しばらく更新をお休みします」と、書いたまま沈黙しておりましたが、みなさん「しばらく治療をお休みします」に変換して読んでくださっていたようで、たくさんのコメントやメールをいただきました。レスもないまま申し訳ありません。
気にかけてくださった皆さん、ありがとうございました。

落ち込んだとか諦めたとか心が折れたとか、なんかそういうのともちょっと違って、一言でまとめると「疲れた」って感じでしょうか。いろんなことに疲れて、人に伝えるほど自分の気持ちをまとめることもできなかったし、気持ちも行動もすべて曖昧でいたかったっていうんですかね。私の場合、治療スタートと同時にブログを書き始めているので、治療とイコールで結ばれていたブログの公開をやめてみたら何か気持ちに変化があるかしら? と、思ったんだけど……特に何もありませんでした むしろ、毎日皆勤で通っていた学校を出来心でちょっと休んでみたら、登校拒否になったような……  自分のために始めたブログだったのに、改めてエネルギーを使ってたんだなと思いました。そして今この瞬間は、登校拒否後の初登校……みたいな気持ちで緊張(?)しております。

誕生日に、母からメールが届きました。
「誕生日おめでとう!! そして結婚記念日おめでとう!! 人生は思いのまま順風満帆であるわけがありません。難破したり嵐にあったりしても、いつも助けられて守られて進むわけです。ですから面白いのですよね。元気で頑張ってください!」

母には9月に里帰りしたとき以来連絡していなくて、ごく一部の気持ちしか伝えていないはずなのに、なんでもお見通しなんだなあ。母親ってすごい。そして、ぴったりと閉じていた心のシャッターが少し開いて、あの誕生日のブログを書いたのです。
命を授かることがどれだけ難しいことなのか痛感しているからこそ、自分が生まれた日、母が私を産んでくれた日を祝おうって思えたんでしょう。

さて、久しぶりのブログで、書きたいこともいろいろあるようなないようなですが、更新を止めていた1ヶ月の間、活字ジャンキーの私は、自分の記録として非公開で「日記」を書いていました。夫婦のこれからのこと、治療のこれからのこと、夫やクリニックの先生ともいろいろ話す機会もあり、誰かに読んでもらうというよりは、自分の気持ちを整理するために書き留めていたのですが、古いものから順を追って公開していこうと思います。
ココログの仕様で限定公開という機能がなく、下書きのまま残しておくのが自分的にとっても不便なのです 書いたときの日付のままアップするので、この記事よりも前に、ちょうど空白を埋める感じで更新されるはずです。一気にアップするのもウザいと思うんで、適度にぼちぼちと
治療は、もう夏ぐらいからやってるようなやってないような、ただ自分の身体を見守っている自然な状態で、それは今も変わっていませんが、夫婦でいろいろ話 し合い、治療も夫婦の人生もどう進んでいくのか見えつつあります。それはまた追々。

↓どうも、お久しぶりです。妊娠はしてませんが、元気です みなさんお元気でしたか?

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その後。

3度目の採卵が空胞に終わり、悲しいという思いより「やっぱりね…」という気持ちのほうが大半を占めていた。
培養士さんの説明が終わったあと、退院までの間、夫と2人で病室のベッドに腰掛けて、「やっぱりもう卵が残ってないんだよ、誘発はしなかったけど、もうこれで終わりにしてもいいのかな」と、いうことを話していた。
うちのクリニックの完全自然周期は、投薬もなく、ホルモン値計測もなく、本当に本当の完全自然。全力で治療に向かった!という実感もなくて、エピローグにするには実に地味だけど(笑)……と、2人で笑ったりもして。
AIH時代から、たくさん薬も飲んで注射も打って、それで陰性だったときの脱力感を思い出すと、なんていうか……ある意味今のほうが気楽かもしれないなあ。

などと思い巡らせていたら、退院前の説明で先生が病室に登場。
「中止中止で、やっと採卵まで行っても空胞ってことだったんで、もう身体的に諦め時なのかなと思ってるんですが」と、ストレートに言うと、先生は言いました。
「いえ、そういう状況じゃありませんよ」と(!)。
で、卵巣の状態をチェックしたいし、次からのことを相談したいので、来週診察に来るようにと言い残し、先生は去っていきました……。

先生のその自信(?)は、いったいどこから来るのだろう? 
全然わからないけど、そのキッパリした口調に逆にガクっとなり、落ち込むのも忘れて帰りはお気に入りのケーキ屋に立ち寄ってみたりした。

採卵から中3日。
診察予約を取り、夫と2人でクリニックへ。超音波の画像には、卵胞があった位置にボワっと白っぽい影のようなものが見える。先生は、診察室に戻ってから、その画像を夫に見せながら、「これは内膜なんです。これだけ厚くなっているっていうことは、きちんとホルモンが出て、正常に良い卵を作ろうとしていたってことなんですね。今回、中身がなかったけれど、事前のホルモン値も悪くなかったし、来月良い卵が出来てくる可能性もあるんで、もう一度自然で経過を見させてください」……と、言うような説明が。
先生から誘発の「ゆ」の字も出てこなかったことは想定外で、この期に及んでも先生がセレクトした、私の妊娠に一番近い治療方法は「完全自然」だったらしい。

帰りの車の中で、私は夫に言った。
「いいよ、もう無理矢理諦める方向に行かなくても。諦めるために治療するんじゃあ、2人ともしんどいし。よさそうな周期があったら採卵してみればいいし、ダメならただ見送ればいいし」と。
本音だった。自分で「諦める」ことをしなくても、「諦めざるを得ない」状況が続けば、同じことじゃないかと思う。わざわざ病院へ行ってホルモン値や内診結果にヘコんだりするのも、しんどいと言えばしんどいけれど、経済的に問題がなくてほんのり希望もあるのなら、それでもいいかなと今は思うから。

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3度目の採卵。

D17。
うまく心の中がまとまらない中ただ時間は過ぎて、D15で採卵日の朝を迎えた。
採卵予定日を真ん中に、前後の日もたまたま夫が休みで、日程的にはベストだったこともあって、じゃあ採ってみようか、という流れになった。

私のバイト先のオーナーは、その3日間をまるまる休みにしてくれて、他のことは何も心配せずにただ身を任せるだけの状況。
でも、採卵前日からお腹の張りや痛みを感じていて、これはもしかして採卵まで間に合わずに排卵してしまうかもしれないと思っていた。
「もー、卵待ってくれないかもしれないよ−!」と、言う私に夫は「先生が土曜日って言ったんだから、任せればいいの!今心配してたって何にもいいことないでしょ!」と、ごもっともなことを言う。
中止続きで、完全自然はもう無理かなと思っていた私は、今回も中止になる確率は高いと思っていて、前日にネイルを落とすのも渋々。誕生日月だったのでいつもよりゴテゴテしてたこともあって、看護師さんでさえも「これは……、全部落とせないですよね。申し訳ないけど1本だけ落としてきてもらえますか?」と言ったぐらい(笑)。
先月、ホルモン値が上がらずに採卵中止になって落ち込んでいたとき、ネイルサロンのオーナが「専門的なことはわからないけど、ルミコさんの気持ちが一番良い方向に行くように祈っています。今度のネイルは目一杯派手にしましょう!誰よりもカワイイのにしましょう!」というメールを送ってくれて、その言葉通り、誰よりも可愛いネイルに仕上げてくれた。
そんなことを思い出して名残惜しくなっていると、またまた夫が横から「落とすってことは、また違うのがつけられるってことでしょ!全部落としなさい!」と、これまたごもっともなことを言った。

私のネガティブ発言をすぐさま拾ってポジティブ変換する技を覚えた夫。
たびたび、ああ、そっかあと納得させられる。

そんなこんなで、初めての夫立ち会いの採卵の日が来た。
朝イチの診察では、もう排卵が始まっている卵胞が確認され(!)、診察室で先生は「この画像でわかるように、排卵が始まってるみたいなんだよね。間に合うと思うので、やりましょう!」と言った(!)。「間に合うんですか!」と夫と声をそろえる私。大急ぎで入院し、部屋に案内されて血圧と注射を済ませ、あっという間にオペ室へ。緊張する間もなく3回目の採卵が始まった。
「あれ、今日は眠くならないよ……?」と思っているうちにガクっと眠りに落ちて、あっという間に起こされ病室へベッドごと移動。しばらくしてほんのり目が覚めたのだけど、目があかない! 左目が開かない! 
「目が、目が腫れてない?」と、夫に伝えると、「すごい腫れてる! 看護婦さん呼ぼうか?」と夫。やってきた看護師さんが確認して、先生に伝えたところ、一時的なものだと思うので様子を見るようにと言われる……。夫に付き添われてトイレに行くと、左目は目頭から大きく腫れて、二重は完全に隠れたひどい顔になっていた。

静脈麻酔でアレルギーが起こったらしい……。過去2回、同じ薬を使っているのになぜ? 尿閉塞を克服したかと思ったら(?)、今度はアレルギー反応。とことんレアケースに当たるもんだ。っていうか、それだけ大変なことをしてるってことだよね。もっと身を引き締めて体調管理も万全で挑まないといけないのに、完全自然周期のユルユル感のせいで、まったく緊張感がなかったことを反省……。

そんなこんなありつつ、看護師さんに差し入れてもらったアイスノンで片目を冷やしていると培養士さんが入ってきて、採卵結果の報告があった。
「残念ですが採卵数は0でした。採卵自体は間に合って、卵の周囲にある組織は採取できているのですが、卵自体が入っていない卵胞だったようです」
いわゆる空胞ってやつですね。これが、噂の空胞か……。
ダメもとだったとはいえ、誘発はしてないとはいえ、中止も空しかったけれど、これはこれでしんどい。退院までの間、「もう、卵が残ってないのかもね」と、意外と冷静に夫と話した。


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不安は続くが採卵決定。

D13。前回の診察から中二日での診察日。
朝イチで、ふと思い立って排卵検査薬を試してみると、クッキリとラインが!
えっ? もう排卵? 排卵検査薬って陽性出てから何時間後だったっけ?
……と、一瞬テンパりながらもとりあえず診察へ。

採血もあることを考えて、朝イチでの予約。
クッキリラインが出たこともあって、卵胞は育っている気配を感じつつ内診台に乗ると、超音波画面には大きく育った黒い影。

診察室に戻ると、先生は一言「これ、採ろう!」と言いました。
その頼もしい一言に、すぐにハイと返事をしそうになったのだけど、グッとこらえて採血の結果を知っておきたいと言い、1時間検査結果を待つことに。

E2採血の結果は152.50。
「低い……ですよね?」と聞くと、先生は採卵を進めるつもりだったようで「土曜日までに250あればいいんだから大丈夫だけど、心配だったら確実なときに採ることにしましょうか?」と言って、私の微妙な表情を見ながらカルテにはもう「PASS」と書いていた(!)。え〜〜!待って〜〜!
そりゃ心配だよ。今この瞬間に250ないんだもん。前回中止になったときと同じ条件で、あまり変わらない数値じゃない? でも、内診のときは卵が育ってたし、今回を逃すと12月……? 夫が忙しいピークになるのに……などなど、瞬時にいろんなことを考えて、「やります! 採ります!」と言った……。

大金だもんね。患者が迷ってたらそりゃやめようって言うよね。
去年の初めての採卵のときもそうだった。結局採ることにして、結果オーライ(?)だった。
そんなことをグルグル思い出していると、採卵説明のために看護師さんに個室に呼ばれた。一通りの採卵説明が終わったとき、思い切って聞いてみる。
ちょうどバッグの中に、前回、前々回のホルモン値のシールが入っていて、今回の分と合わせて3枚テーブルの上に並べてみた。
9月のときはD11でE2は107.9。HCGを打ったけれど、採卵当日の内診で卵胞の成長が見られないので中止。
10月のときはD13でE2は150.8。採血結果が出てから内診すると、卵胞はやはり小さくなっていて、良くない卵だということになり中止。
そして今月。D13で152.5。前回と1.7しか違わない!なのに大丈夫なんだろうか。

看護師さんは、「うんうん、さっき診察室でちょっと聞いてたし、すごい不安なのがよくわかります。でも、先生は超音波の診察のほうを重要視しているから、採れるって言ったのかもしれませんね。うちの機械はすごく精度がいいから、すごく細かいところまで見えるの。だから、良くない卵だったときは逆にやめましょうって言うこともあるし。D13なら、中止にするほどものすごく低い数値っていうことでもないかなって思います」と、とてもわかりやすく説明してくれた。
確かに、前回と違うのは、採血前に内診していること。内診の結果は順調だった。前回は卵胞が小さくなってた……。だから、あさってまでに数値が伸びる可能性も高いってことなのかな。
もういいや!採っちゃえ! 治療すらやめようとか思っていた周期に、採りますって言っちゃうんだね、と、自分に突っ込んじゃう。

看護師さんに不安を聞いてもらって、なんだか少し元気になって、なるようになれっていう気分でクリニックをあとにした。当日また中止になるかもしれないけど、それはそれだし。あとは卵に任せた! 

そうそう、排卵検査薬で今朝陽性が出たことを先生に言ったら、「じゃあ間違いなく土曜日だ」とのこと。案外陽性出てから排卵って時間かかるんだな……と思った。果たして土曜まで居座ってくれるかどうか。

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2年。

D11。昨日は、久しぶりにクリニックに行ってみた。
待合室の掲示板に出る診察券番号を見ていて、自分よりもずっとあとの番号を見ると、ああ、私も長く通ってるんだなって思う。
ついこの間転院してきたような気がするけれど、初めての採卵からちょうどもう1年が過ぎる。

内診の超音波画面には、まだ小さめの卵胞が映った。
あった。よかった。
もうね、卵胞が出来るか出来ないかってところから心配しなきゃいけなくなったよ。
先生は診察室で画面を見ながら、「卵が出来てますからね、でもまだ小さいんでもう1回診せてください。水曜か木曜に来てください」と、言った。
水曜か木曜って、あさってか明明後日。ここ2ヶ月は、この2日間で卵胞が元気なくしちゃうんだよね。なんなんだろ? 

あっという間に診察タイムは終わって、お会計は370円。
とても高度医療をやってる感じはしない。夫も、「次は病院いつ?」とか最近は聞き忘れているらしく、何も言わなくなった。
前回の中止のとき、電話で私からの報告を受けた日のことを振り返って、夫は言った。
「あのとき、ルミコにかける言葉が見つからなかった。こんな思いをさせて、これでいいのかなって思った」
それで、「次で最後にしよう」と言ったのだろう。

私は今でもときどき思う。
こんな穏やかな毎日が当たり前みたいにやってくるなんて、嘘みたいだなあって。
それほどいろいろあった私たちだったから、本当は2人ともこれで充分なはずだったんだ。でも結婚してガラっと生活が変わった夫の新しい夢、どれかひとつでも叶えてあげたかったな。私の実家に戻って、海も山もあるところで、のんびりと暮らすっていうのが夢なら、それだけでも今度はちゃんと早め早めに考えないといけないね。

昨日、不動産屋を通じて、大家から3度目の「解約通知」が届いた。
2年前、私がまだAIHを始めたばかりのころ、大家から一方的に今住んでいる家の解約を迫られて、モメにモメたのだけど、その後専門機関のアドバイスなどももらい、なんとか更新にこぎ着けた。あれから早2年。再び同じような書類が届いたというわけだ。
2年って……早いな。あのときは、2年後には子供がいる生活なのかいない生活なのか決着がついているはずだと信じていた。
自分が思っていたよりも2年は早く、苦しい時間は続いていた。
ため息、またひとつ。

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