IVF採卵3(完全自然排卵周期)→空胞

その後。

3度目の採卵が空胞に終わり、悲しいという思いより「やっぱりね…」という気持ちのほうが大半を占めていた。
培養士さんの説明が終わったあと、退院までの間、夫と2人で病室のベッドに腰掛けて、「やっぱりもう卵が残ってないんだよ、誘発はしなかったけど、もうこれで終わりにしてもいいのかな」と、いうことを話していた。
うちのクリニックの完全自然周期は、投薬もなく、ホルモン値計測もなく、本当に本当の完全自然。全力で治療に向かった!という実感もなくて、エピローグにするには実に地味だけど(笑)……と、2人で笑ったりもして。
AIH時代から、たくさん薬も飲んで注射も打って、それで陰性だったときの脱力感を思い出すと、なんていうか……ある意味今のほうが気楽かもしれないなあ。

などと思い巡らせていたら、退院前の説明で先生が病室に登場。
「中止中止で、やっと採卵まで行っても空胞ってことだったんで、もう身体的に諦め時なのかなと思ってるんですが」と、ストレートに言うと、先生は言いました。
「いえ、そういう状況じゃありませんよ」と(!)。
で、卵巣の状態をチェックしたいし、次からのことを相談したいので、来週診察に来るようにと言い残し、先生は去っていきました……。

先生のその自信(?)は、いったいどこから来るのだろう? 
全然わからないけど、そのキッパリした口調に逆にガクっとなり、落ち込むのも忘れて帰りはお気に入りのケーキ屋に立ち寄ってみたりした。

採卵から中3日。
診察予約を取り、夫と2人でクリニックへ。超音波の画像には、卵胞があった位置にボワっと白っぽい影のようなものが見える。先生は、診察室に戻ってから、その画像を夫に見せながら、「これは内膜なんです。これだけ厚くなっているっていうことは、きちんとホルモンが出て、正常に良い卵を作ろうとしていたってことなんですね。今回、中身がなかったけれど、事前のホルモン値も悪くなかったし、来月良い卵が出来てくる可能性もあるんで、もう一度自然で経過を見させてください」……と、言うような説明が。
先生から誘発の「ゆ」の字も出てこなかったことは想定外で、この期に及んでも先生がセレクトした、私の妊娠に一番近い治療方法は「完全自然」だったらしい。

帰りの車の中で、私は夫に言った。
「いいよ、もう無理矢理諦める方向に行かなくても。諦めるために治療するんじゃあ、2人ともしんどいし。よさそうな周期があったら採卵してみればいいし、ダメならただ見送ればいいし」と。
本音だった。自分で「諦める」ことをしなくても、「諦めざるを得ない」状況が続けば、同じことじゃないかと思う。わざわざ病院へ行ってホルモン値や内診結果にヘコんだりするのも、しんどいと言えばしんどいけれど、経済的に問題がなくてほんのり希望もあるのなら、それでもいいかなと今は思うから。

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3度目の採卵。

D17。
うまく心の中がまとまらない中ただ時間は過ぎて、D15で採卵日の朝を迎えた。
採卵予定日を真ん中に、前後の日もたまたま夫が休みで、日程的にはベストだったこともあって、じゃあ採ってみようか、という流れになった。

私のバイト先のオーナーは、その3日間をまるまる休みにしてくれて、他のことは何も心配せずにただ身を任せるだけの状況。
でも、採卵前日からお腹の張りや痛みを感じていて、これはもしかして採卵まで間に合わずに排卵してしまうかもしれないと思っていた。
「もー、卵待ってくれないかもしれないよ−!」と、言う私に夫は「先生が土曜日って言ったんだから、任せればいいの!今心配してたって何にもいいことないでしょ!」と、ごもっともなことを言う。
中止続きで、完全自然はもう無理かなと思っていた私は、今回も中止になる確率は高いと思っていて、前日にネイルを落とすのも渋々。誕生日月だったのでいつもよりゴテゴテしてたこともあって、看護師さんでさえも「これは……、全部落とせないですよね。申し訳ないけど1本だけ落としてきてもらえますか?」と言ったぐらい(笑)。
先月、ホルモン値が上がらずに採卵中止になって落ち込んでいたとき、ネイルサロンのオーナが「専門的なことはわからないけど、ルミコさんの気持ちが一番良い方向に行くように祈っています。今度のネイルは目一杯派手にしましょう!誰よりもカワイイのにしましょう!」というメールを送ってくれて、その言葉通り、誰よりも可愛いネイルに仕上げてくれた。
そんなことを思い出して名残惜しくなっていると、またまた夫が横から「落とすってことは、また違うのがつけられるってことでしょ!全部落としなさい!」と、これまたごもっともなことを言った。

私のネガティブ発言をすぐさま拾ってポジティブ変換する技を覚えた夫。
たびたび、ああ、そっかあと納得させられる。

そんなこんなで、初めての夫立ち会いの採卵の日が来た。
朝イチの診察では、もう排卵が始まっている卵胞が確認され(!)、診察室で先生は「この画像でわかるように、排卵が始まってるみたいなんだよね。間に合うと思うので、やりましょう!」と言った(!)。「間に合うんですか!」と夫と声をそろえる私。大急ぎで入院し、部屋に案内されて血圧と注射を済ませ、あっという間にオペ室へ。緊張する間もなく3回目の採卵が始まった。
「あれ、今日は眠くならないよ……?」と思っているうちにガクっと眠りに落ちて、あっという間に起こされ病室へベッドごと移動。しばらくしてほんのり目が覚めたのだけど、目があかない! 左目が開かない! 
「目が、目が腫れてない?」と、夫に伝えると、「すごい腫れてる! 看護婦さん呼ぼうか?」と夫。やってきた看護師さんが確認して、先生に伝えたところ、一時的なものだと思うので様子を見るようにと言われる……。夫に付き添われてトイレに行くと、左目は目頭から大きく腫れて、二重は完全に隠れたひどい顔になっていた。

静脈麻酔でアレルギーが起こったらしい……。過去2回、同じ薬を使っているのになぜ? 尿閉塞を克服したかと思ったら(?)、今度はアレルギー反応。とことんレアケースに当たるもんだ。っていうか、それだけ大変なことをしてるってことだよね。もっと身を引き締めて体調管理も万全で挑まないといけないのに、完全自然周期のユルユル感のせいで、まったく緊張感がなかったことを反省……。

そんなこんなありつつ、看護師さんに差し入れてもらったアイスノンで片目を冷やしていると培養士さんが入ってきて、採卵結果の報告があった。
「残念ですが採卵数は0でした。採卵自体は間に合って、卵の周囲にある組織は採取できているのですが、卵自体が入っていない卵胞だったようです」
いわゆる空胞ってやつですね。これが、噂の空胞か……。
ダメもとだったとはいえ、誘発はしてないとはいえ、中止も空しかったけれど、これはこれでしんどい。退院までの間、「もう、卵が残ってないのかもね」と、意外と冷静に夫と話した。


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不安は続くが採卵決定。

D13。前回の診察から中二日での診察日。
朝イチで、ふと思い立って排卵検査薬を試してみると、クッキリとラインが!
えっ? もう排卵? 排卵検査薬って陽性出てから何時間後だったっけ?
……と、一瞬テンパりながらもとりあえず診察へ。

採血もあることを考えて、朝イチでの予約。
クッキリラインが出たこともあって、卵胞は育っている気配を感じつつ内診台に乗ると、超音波画面には大きく育った黒い影。

診察室に戻ると、先生は一言「これ、採ろう!」と言いました。
その頼もしい一言に、すぐにハイと返事をしそうになったのだけど、グッとこらえて採血の結果を知っておきたいと言い、1時間検査結果を待つことに。

E2採血の結果は152.50。
「低い……ですよね?」と聞くと、先生は採卵を進めるつもりだったようで「土曜日までに250あればいいんだから大丈夫だけど、心配だったら確実なときに採ることにしましょうか?」と言って、私の微妙な表情を見ながらカルテにはもう「PASS」と書いていた(!)。え〜〜!待って〜〜!
そりゃ心配だよ。今この瞬間に250ないんだもん。前回中止になったときと同じ条件で、あまり変わらない数値じゃない? でも、内診のときは卵が育ってたし、今回を逃すと12月……? 夫が忙しいピークになるのに……などなど、瞬時にいろんなことを考えて、「やります! 採ります!」と言った……。

大金だもんね。患者が迷ってたらそりゃやめようって言うよね。
去年の初めての採卵のときもそうだった。結局採ることにして、結果オーライ(?)だった。
そんなことをグルグル思い出していると、採卵説明のために看護師さんに個室に呼ばれた。一通りの採卵説明が終わったとき、思い切って聞いてみる。
ちょうどバッグの中に、前回、前々回のホルモン値のシールが入っていて、今回の分と合わせて3枚テーブルの上に並べてみた。
9月のときはD11でE2は107.9。HCGを打ったけれど、採卵当日の内診で卵胞の成長が見られないので中止。
10月のときはD13でE2は150.8。採血結果が出てから内診すると、卵胞はやはり小さくなっていて、良くない卵だということになり中止。
そして今月。D13で152.5。前回と1.7しか違わない!なのに大丈夫なんだろうか。

看護師さんは、「うんうん、さっき診察室でちょっと聞いてたし、すごい不安なのがよくわかります。でも、先生は超音波の診察のほうを重要視しているから、採れるって言ったのかもしれませんね。うちの機械はすごく精度がいいから、すごく細かいところまで見えるの。だから、良くない卵だったときは逆にやめましょうって言うこともあるし。D13なら、中止にするほどものすごく低い数値っていうことでもないかなって思います」と、とてもわかりやすく説明してくれた。
確かに、前回と違うのは、採血前に内診していること。内診の結果は順調だった。前回は卵胞が小さくなってた……。だから、あさってまでに数値が伸びる可能性も高いってことなのかな。
もういいや!採っちゃえ! 治療すらやめようとか思っていた周期に、採りますって言っちゃうんだね、と、自分に突っ込んじゃう。

看護師さんに不安を聞いてもらって、なんだか少し元気になって、なるようになれっていう気分でクリニックをあとにした。当日また中止になるかもしれないけど、それはそれだし。あとは卵に任せた! 

そうそう、排卵検査薬で今朝陽性が出たことを先生に言ったら、「じゃあ間違いなく土曜日だ」とのこと。案外陽性出てから排卵って時間かかるんだな……と思った。果たして土曜まで居座ってくれるかどうか。

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2年。

D11。昨日は、久しぶりにクリニックに行ってみた。
待合室の掲示板に出る診察券番号を見ていて、自分よりもずっとあとの番号を見ると、ああ、私も長く通ってるんだなって思う。
ついこの間転院してきたような気がするけれど、初めての採卵からちょうどもう1年が過ぎる。

内診の超音波画面には、まだ小さめの卵胞が映った。
あった。よかった。
もうね、卵胞が出来るか出来ないかってところから心配しなきゃいけなくなったよ。
先生は診察室で画面を見ながら、「卵が出来てますからね、でもまだ小さいんでもう1回診せてください。水曜か木曜に来てください」と、言った。
水曜か木曜って、あさってか明明後日。ここ2ヶ月は、この2日間で卵胞が元気なくしちゃうんだよね。なんなんだろ? 

あっという間に診察タイムは終わって、お会計は370円。
とても高度医療をやってる感じはしない。夫も、「次は病院いつ?」とか最近は聞き忘れているらしく、何も言わなくなった。
前回の中止のとき、電話で私からの報告を受けた日のことを振り返って、夫は言った。
「あのとき、ルミコにかける言葉が見つからなかった。こんな思いをさせて、これでいいのかなって思った」
それで、「次で最後にしよう」と言ったのだろう。

私は今でもときどき思う。
こんな穏やかな毎日が当たり前みたいにやってくるなんて、嘘みたいだなあって。
それほどいろいろあった私たちだったから、本当は2人ともこれで充分なはずだったんだ。でも結婚してガラっと生活が変わった夫の新しい夢、どれかひとつでも叶えてあげたかったな。私の実家に戻って、海も山もあるところで、のんびりと暮らすっていうのが夢なら、それだけでも今度はちゃんと早め早めに考えないといけないね。

昨日、不動産屋を通じて、大家から3度目の「解約通知」が届いた。
2年前、私がまだAIHを始めたばかりのころ、大家から一方的に今住んでいる家の解約を迫られて、モメにモメたのだけど、その後専門機関のアドバイスなどももらい、なんとか更新にこぎ着けた。あれから早2年。再び同じような書類が届いたというわけだ。
2年って……早いな。あのときは、2年後には子供がいる生活なのかいない生活なのか決着がついているはずだと信じていた。
自分が思っていたよりも2年は早く、苦しい時間は続いていた。
ため息、またひとつ。

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迷いのトンネルの中。

D9、36.14。
明日は診察。どうしたいのかよくわからない私には、いつでも逃げ道が用意されている自然周期って向いてるのかな、とか思う。
D3の採血もないため、ムダにヘコむこともなく、ただD10の診察での卵胞をチェックして、卵胞があればE2を測って、卵のクオリティがどんなもんかを予測して、そして決める。
楽だな。
要するに運まかせ。前回、前々回の経験から、採卵できるとも思わなくなったし、あとは本当に夫も私も気持ちの整理がつくまでゆるゆると時間を過ごすだけ。

ブログでのやりとりからも離れて、ただ昨日の続きを過ごす毎日は、つらいことなんかそんなになくて、気の合う友達と笑って美味しいもの食べて、仕事で試行錯誤したりして。クールダウンすると、治療って……子供って……私にどうしても必要なものなのかな? って想いに立ち返ってしまう。
夫が欲しいと言っている以上、授かるなら頑張ってみよう、きっとそのほうがいいに違いないと思って進んできたけれど、ホントに子供欲しいのかなあ?っていう思いはやっぱり離れない。

流行っているスイーツが誰もが美味しいと思うわけではないように、行列しているブランドのものが誰もが欲しいわけではないように、女だから、夫婦だから、必ず子供が欲しいわけじゃない。私はどこかで、「もし私たち夫婦に必要だとしたら、授かるに違いない」と、やっぱり運任せみたいに思ってたんだよね。どんなステップを踏んでも、確実な方法はないわけで、そう思わないとやってられないってところもあったのかな。

客観的に振り返っても、25歳と36歳で結婚してるのに、治療開始が39歳なんだもの。どうしても欲しかった!って感じじゃないよなあ。ホントに欲しかったら、もっと早く子供のことを考えたり自ら通院したりしててもいい。どうなんだろ?欲しいのかな?そうでもないのかな?とかチラチラ考えてるうちに、タイムアップ!とりあえずやってみれば?ってドンと背中を押されて扉を開けちゃった感じ。

私はね、今のままでもいいんだ。幸い、友達がまだ子供を産んだりなんかして、小さい子を抱く機会もあって、ときどき遊ぶ分にはカワイイし楽しい。自分の家の子供だったら、きっとずっと心配事や悩み事もあったり、ただカワイイ&楽しいってわけにもいかないだろう。

ただ、夫の気持ちを考えると、これでなんとなく諦めてしまっていいのかと思う。
長い付き合いだった私たち。結婚という節目を迎えるとき、私は私の未来地図だけじゃなくて、夫が描く未来の夢も受け入れるって決めたんだった。
どういう結果でもいい。夫が未来に希望を持って進めるように、気持ちよく終われるエピローグを待ってる。

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3度目の正直。

土曜日に基礎体温が急降下し、マニュアル通りにリセットした。
それでもちゃんと高温期が12日続いていたことに驚く。身体って、ホルモンって、すごい。

リセットと同時に急に悲しい気持ちになった。
ついに「最後」という言葉を口にした夫の心の中を思うと、どうするのがいいのかわからない。
このまま何もなかったように、昨日の続きを過ごしてしまいたいけれど、それでいいのかもわからない。
急に悲しい気持ちになったのも、悲しいことにホルモンのせいなんだろうな。

どうするにしても行かなきゃな。
と、思い立って、クリニックにD3の予約を入れて、今日がその診察日だった。最後の誘発、してみようかな……、でも、今の状況だと1コ採れるかどうかというところ。培養士さんも先生も、完全自然か低刺激が良いのではという見解で、それがベストならそれで最後になってもいいのかもしれない。

私はどうしたいのかな。
と、いうことを考えながら待合室での時間を過ごした。

先生の手元に開かれたカルテには、前回の採卵の予定に大きく手書きで×の印。
先生がなんて言うのかを静かに待っていたら、「どうします? もう一回自然で見てみようか」とあっさり言われる。
「薬を使わないと排卵しなくなっているっていうことはありますか?」
と聞くと、「う〜ん、まあ少し薬を飲んでみるっていうこともできるけど」と先生。
「誘発」という言葉は出てこなかった。どうせ誘発することになるのなら、見切り発車じゃなくて、そのつもりで調整して挑みたいと心のどこかで引っかかっていた私は、先生の勢いにのまれて、「はい、じゃあ自然でトライします」と言った。

自然でトライ、というのは、すなわち何もしないということで、トライしているようなしていないような、するようなしないような、タイミング法よりもゆるゆるとした時間。やっぱりやめようと思ったら、そのままクリニックに行かなければいいだけ。心も体も文字通りの「自然」。
ホルモンが出てきたら採卵なりAIHなりしてみる、という受け身の治療。
今の私には、治療をするしないを選ぶこともできなければ、その方法を選ぶこともできないんだよね。卵が育たないと始まらないもの。

クリニックからの帰り道、仕事中の夫から着信。
なんて言われたのか気になっていたようで、「もう1回、自然で見てみることにしたよ」と言った。3度目の正直ってやつ?

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